ServiceNow マイクロ資格って何ですか?難易度は?

技術

社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できるクラウドサービス「ServiceNow」。
株式会社KYOSOでは、これまでの豊富な運用経験をもとに、ServiceNowの企画立案から運用・保守、内製化までトータルでサポートしています。

このブログではマイクロ資格試験について、受験した経験をもとにご紹介します。

Service Now 認定資格のラインアップ

ServiceNowの認定プログラムでは4つの認定資格タイプが提供されています。
このうちの1つがマイクロ資格試験になります。

  • Accreditations
    ServiceNowプラットフォームの新しい機能などの知識やスキルを証明するための試験です。
    製品の開発に合わせて更新されます。
    認定を最新の状態に保つためには、デルタ試験 (認定資格更新試験) が必要になる場合があります。
  • メインライン資格
    製品別、役割別に用意されている認定資格で試験官の監視付きのもと行われ、
    定期的なデルタ試験に合格することが求められます。
    必要なマイクロ資格を取得することで、スイート資格が付与されます。
  • マイクロ資格
    ServiceNowの専門製品に関する技術的な知識の保有や、実践的な操作ができることを証明するための認定資格です。
  • エキスパートプログラムの認定
    2つの認定プログラム[認定マスターアーキテクト (CMA) / 認定テクニカルアーキテクト (CTA)]が
    用意されています。
    認定を最新の状態に保つためには、メンテナンスプログラムに参加する必要があります。

マイクロ資格試験とは

ServiceNowの専門製品に関する技術的な知識や熟練度を、実践的な評価を通じて証明します。
そのため、メインライン資格よりも出題範囲が限定されています。
前提トレーニングを完了すると、受験できるようになります。
バウチャー、試験官の監督不要で、Now Learning (ServiceNowが提供する学習プラットフォーム) 上から受験することができます。
合格すると認定バッジがもらえます。(デジタル上のものです)

出題形式は以下の2種類となっており、どちらかの形式で出題されます。

  • 複数選択肢または複数選択の回答形式
  • シミュレーター(実技テスト)

※2024年4月時点のマイクロ資格のラインアップは以下のとおりです。

各試験の詳細は、「ServiceNow認定資格 – Credentialing Program Guide」の
試験要件の理解:マイクロ資格/コアスキルマイクロ資格」に掲載されています。
前提トレーニングやBlueprint(試験仕様書)、出題形式などが確認できます。
※Webassessor (認定試験の受験者用申し込みウェブサイト) のトップページでは、上記サイトを含む各種ガイドへのリンクがまとめられています。

例)Automated Test Framework

マイクロ資格試験の体験記

メインライン資格の学習の中で紹介されていた製品、また、社内検証で触れたDiscovery、CMDBに関連した製品など、これまでに6つのマイクロ資格試験を受験しましたので、それぞれについて簡単にご紹介します。

① Automated Test Framework

Automated Test Framework (ATF) はServiceNowが標準で用意しているテスト自動化ツールです。
活用することで、テストに費やす時間を短縮したり、品質と安定性が向上できます。

前提トレーニング
Automated Test Framework (ATF) Essentials [日本語]
※5つのコースで構成されています
 ・イントロダクション[日本語]
 ・Run Tests and Test Suites [日本語]
 ・Create and Schedule Tests and Test Suites [日本語]
 ・Additional Tips, Techniques, and Resources [日本語]
 ・Administration [日本語]
ATFの仕組みや手順、ヒント、プロパティの設定、覚えておくべき重要なことが学べます。

試験
全23問の回答形式の試験で、制限時間は60分でした。
時間には余裕がありますが、名称とその意味や、何をしたらどうなるかなど、
細かくしっかり覚えていないと回答できない問題が多かったです。
合否は試験後、すぐに分かります。

問題数が少ないため、数問間違えただけで不合格になる可能性がありますが、
不合格になった場合は24時間経過すると、再度受験できます。

② Flow Designer

Flow Designerはフローの作成に使用されるデフォルトの Now Platform プロセス自動化ビルダーです。
利点としては、コードを記述せずに自動化を構成できることです。

前提トレーニング
Flow Designer Fundamentals [日本語]
※3つのコースで構成されています。
 ・イントロダクション[日本語]
 ・Create a Flow[日本語]
 ・Create Subflows and Actions[日本語]
 Flow Designerの概要、起動方法、操作画面の説明、フローの作成方法などが学べます。

試験
全22問の回答形式の試験で制限時間は60分でした。
ATFと同様に、細かくしっかり覚えていないと回答できない問題が多かったです。

③ Configure the CMDB

CMDB は、IT 資産と構成アイテム (CI) に関連づけられたデータを保存する共通の場所のことです。
Configure the CMDB では CIクラスマネージャーを使用してクラスを定義し、
さらに、識別ルール、調整ルール、データ更新ルールを構成しテストする一連の設定について、
シミュレーターで実装します。

前提トレーニング
Configuration Management Database (CMDB) Fundamentals [日本語]
※Configure the CMDB はこのコンテンツのコースの1つです。

試験
シミュレーター形式の試験です。(全15タスク)
1タスクずつ「タスクの検証」を行い、成功/失敗を判定します。
失敗した場合でもヒントや製品ドキュメントへのリンクなどが表示されるため、
それらを参照して対応することで実装することができるようになっていました。
シナリオに沿って進めていくため、前後のタスクにつながりがあることが多く、
最後のタスクまで全てクリアすると、シミュレータースコアが100%になり合格となります。
合格の基準は80%となっており、クリアできなかったタスクがあったとしても、
80%を超えていれば合格することができます。 

④ CMDB Health

③のConfigure the CMDBと関連しています。
CMDB Healthでは、CMDBの健全性をより適切に可視化するための健全性ダッシュボードの活用や
CMDBクエリビルダーを使用した修正などを実装します。

前提トレーニング
Configuration Management Database (CMDB) Fundamentals [日本語]
※CMDB Healthもこのコンテンツの1つです。

試験
Configure the CMDBと同様にシミュレーター形式の試験です。(全14タスク)
今回受験した6つの中では、CMDB Healthが一番難しかった印象です。
ヒントや製品ドキュメントを参照しても、クリアできないタスクが3つほどありました。
自力解決が難しかったタスクについては、コミュニティ記事が参考になりました。
コミュニティ記事の中にクリアできなかったタスクについての投稿と解決策となる返信があったため、
その記事のおかけでクリアすることができました。

⑤ Service Portal

Service Portalは、従業員または顧客に提供するセルフサービスの環境です。
ベースシステムを適応することもカスタムポータルを開発することもできます。

前提トレーニング
Service Portal Fundamentals On Demand [日本語]
※Service Portalの作成方法やウィジェットの開発、AI検索が学べます。
 ただし、コンテンツの動画は日本語字幕が出せますが、eBookは英語のみでした。

試験
全20問の回答形式の試験で、制限時間は60分でした。
eBookが英語版のため、英語が得意ではない場合は、少々難しく感じるかもしれません。
回答の選択肢については、翻訳しないほうが選びやすいと思いました。
一方で、問題文は翻訳しないと何を問われているか分からないこともあったため、
問題文はブラウザの翻訳機能を使用して日本語で読み、
回答の選択肢は、翻訳を解除して英語で選んでというように切り替えながら行いました。

⑥ Virtual Agent

仮想エージェント(Virtual Agent)は、会話型チャットボットプラットフォームです。
チャットボットの会話を設計、構築し、ユーザーがすばやく情報を入手したり意思決定を行ったり
さらに、一般的な作業を実行できるようにすることができます。

前提トレーニング
・Virtual Agent Fundamentals(opens in a new tab) – オンデマンド 
・Virtual Agent Implementation(opens in a new tab) – オンデマンド 
・Natural Query Language Understanding(opens in a new tab) – オンデマンド 
※Virtual Agent Designerの使い方や自然言語理解(NLU)の活用などが学べます。
 英語版のみで日本語版はありません。
 翻訳はブラウザの翻訳機能やExcelの翻訳機能(校閲タブ)を使いました。
 Excelに翻訳したものを保存しておくと、実装するときに役に立ちます。

試験
シミュレーター形式の試験です。(全16タスク)
失敗した時に表示されるヒントのリンクが正しくありませんでした。
前提トレーニングをおさらいすることで解決できたため、
翻訳した資料を残しておくとよいと思います。

さいごに

マイクロ資格試験は試験官の監督なしで受験できます。そのため、自分のタイミングで
いつでも取り組めます。
また、出題範囲も限定的なため、難易度としてはメインライン資格よりは易しいと言えます。
製品や機能を知るうえでとても有効であるため、皆さんもぜひ受験してみてください。

最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。
あなたにとって有益な情報を提供できたのであれば、大変嬉しく思います。


参考

投稿者プロフィール

S H
S H
主にシステム開発の仕事に携わってきました。
[HTML/CSS/JavaScript/C#/VB.NET など]
2023年より開発業務と並行してServiceNowの学習を始めました。
CIS資格取得にも取り組んでおり、さまざまなServiceNowの研修を通して知識やスキルを磨いています。

保有資格
- ServiceNow Certified System Administrator
- ServiceNow Certified Application Developer
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - Customer Service Management
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