社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できるクラウドサービス「ServiceNow」。
株式会社KYOSOでは、これまでの豊富な運用経験をもとに、ServiceNowの企画立案から運用・保守、内製化までトータルでサポートしています。
目次
はじめに
ServiceNowはITILに準拠したITSMを提供しており、インシデント管理、問題管理、変更管理といったプロセスが明確に分かれているため、非常に分かりやすく運用できます。
しかしその一方、それぞれの管理が分かれていることで、業務の中で複数の情報を横断的に集める必要があり、担当者にとっては手間になることもあります。
そこで、この課題を解決するためにServiceNowが提供しているのがWorkspaceです。ここでは、Workspaceの機能と作成方法について紹介します。
Workspaceとは、ServiceNowが提供する次世代のインターフェースで、複数の関連情報を一つの画面に集約し、クリック一つでスムーズに切り替えられるアプリケーションです。
さらに、カスタマイズ可能なダッシュボードやナレッジ管理機能に加え、Now AssistというAIアシスタント機能も導入でき、業務効率化を強力に支援します。
検証環境
本記事で紹介している内容は、以下の環境で検証したものとなります。
ServiceNow: 個人デモインスタンス
バージョン:zurich
ロール:admin
Workspaceの表示方法
1. Home画面の表示
クラシック画面の上部にある「Workspaces」から表示したいWorkspaceを選択します。

WorkspaceのHome画面が表示されます。
ここではダッシュボードや重要事項など、最初に確認すべき情報を表示します。

2. List画面の表示
左のサイドバーの「List」ボタンをクリックすると、WorkspaceのList画面が表示されます。
ここではWorkspaceの対象テーブルのリストレコードが表示されます。

3.Record画面の表示
表示されているレコードのタブ、またはリストレコードから対象のレコードをクリックします。

WorkspaceのRecord画面がList画面の横にタブで表示されます。
ここでは対象レコードの詳細が表示される他、タブなどで様々な関連情報を1画面で表示されます。

従来のクラシック画面では、別の情報を表示する場合は基本的に画面が切り替わりますが、Workspaceでは別のタブに表示することにより、元の画面は残ります。
Workspaceの設定方法
1. Workspaceの設定方法の種類と違いについて
Workspaceの設定方法は使用するツールの違いによる複数の方法があり、それぞれ用途が異なります。
- Studio:従来の開発者向けIDE。
- UI Builder:WorkspaceのUIレイアウトを作成するためのツール。編集は主にこのツールを使用するが、作成することも可能です。
- App Engine Studio (AES):ノーコード/ローコードで作成することが出来るツール。
2. Workspaceの作成
今回は App Engine Studio を使用した Workspace の作成方法を紹介します。
App Engine Studioを起動します。
パス:[App Engine] > [App Engine Studio]

「App Engine Studio」が別タブで起動するので、「Create app」をクリックします。

名前と説明の設定にて、「Name」を設定し、「Continue」をクリックします。

ロールの設定にて、必要に応じてロールを設定し、「Continue」をクリックします。

「Go to app dashboard」をクリックします。

アプリケーションが作成されます。
次に構成を作成するため、「Experience」タブを選択し、「+Add」をクリックします。

「Workspace」を選択します。

「Begin」をクリックします。

「Continue」をクリックします。

テーブルの設定にて、対象のテーブルを設定し、「Continue」をクリックします。

※今回はインシデントテーブルを設定しています。
「Done」をクリックします。

「Experience」にFormとWorkspaceが作成されたことを確認します。

クラシック画面に戻り、UI Builderを起動します。
パス:[Now Experience Framework] > [UI Builder]
(日本語:[Now Experience フレームワーク] > [UI ビルダー])

「UI Builder」が別タブで起動するので、「Experience」タブを選択します。

作成したWorkspaceをクリックします。

構成されるページとバリアントの一覧が表示されます。
バリアントとは、特定の条件に基づいて一つのページに対して異なるバージョンを表示する仕組みです。これにより、同じURLでユーザーのロールや状況に応じて表示する内容をカスタマイズすることができます。
[例]
Home (Landing Page):Homeページ
List:テーブルに含まれるレコードの一覧表示ページ
Record:レコード選択時の詳細表示ページ
※その他、ダッシュボードやナレッジのページも用意されます。

「Home default」をクリックすると、Home画面の編集画面が表示されます。

「List default」をクリックすると、List画面の編集画面が表示されます。

「Incident Record Page」をクリックすると、Record画面の編集画面が表示されます。

3. Workspaceの編集
今回は作成したWorkspaceのRecord画面に「Assignment group」と「Assigned to」をヘッダーに追加する方法を紹介します。
まず、中央のサンプル画面を表示するため、テーブルとレコードの情報を渡す必要があります。
そのため、Record画面の編集画面の「Edit parameter test values」をクリックします。

tableに「incident」、sysidに任意のレコードを設定し、「Apply」をクリックします。

中央のサンプル画面が表示されるので、”Top Container”の「Add after」をクリックします。

Layoutsから「Two columns」を選択肢、「Add」をクリックします。

“Top Container”の下に2つのColumnが追加されるので、左側のColumnの「Add component」をクリックします。

Componentsから「Stylized text」を選択し、「Add」をクリックします。

追加した「Stylized text」をハイライトし、ConfigureのTextの「Set custom value」をダブルクリックして「Bind data or use scripts」に変更します。

「record」>「form」>「fields」>「assignment_group」>「displayValue」を設定し、「Apply」をクリックします。

文字サイズや位置などを最適な表示に編集します。

同様に右側のColumnに「Assigned to」を設定し、問題なければ「Save」をクリックします。

Record画面のヘッダーに「Assignment group」と「Assigned to」が表示されるようになります。

さいごに
Workspaceを使用することで、様々な関連情報を1つの画面に集約することができます。それは必要な情報を収集するためにいくつもウィンドウを開いてそれぞれの情報を収集、調査する時間を短縮し、業務の効率化を促進することができるようになります。
最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。
あなたにとって有益な情報を提供できたのであれば、大変嬉しく思います。
参考
投稿者プロフィール

- 某大手企業の情報システム部様にて、ServiceNowによるサービスデスクを担当し、ITSMの業務を行っていました。現在さらなるスキルアップに向け勉強中です。
保有資格
- ServiceNow Certified System Administrator
- ServiceNow Certified Application Developer
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - IT Service Management
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - Customer Service
Management
最新の投稿
- 2025-10-29技術Workspace とは?使えば分かる、その魅力!
- 2025-05-21技術関連リストとは?探さず見られる操作画面のつくり方
- 2024-11-25技術ServiceNowはあなたのそばに!「Slack 連携」
- 2024-10-22技術運用業務改善のカギ「パフォーマンス分析(Performance Analytics)」