社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できるクラウドサービス「ServiceNow」。
株式会社KYOSOでは、これまでの豊富な運用経験をもとに、ServiceNowの企画立案から運用・保守、内製化までトータルでサポートしています。
膨張するシステムの機能、複雑化するデータ。便利になるのはいいですがシステムを管理するのは大変です。冗長性を防ぐために情報を分散管理している結果、必要な情報を取得する際に、複数のテーブルを個別に検索し、それらを1つのシートにまとめるような作業を行っていませんか?
このブログでは、一つの画面に複数の情報をまとめて表示するServiceNowの機能「関連リスト」を紹介します。
目次
概要説明
関連リストとは、あるテーブルのフォームに表示されるデータに関連する他のテーブルの情報を、フォーム画面の下部に表示する機能です。これを利用することにより、複数のテーブルに分散した情報を1画面に表示できるようになるため、必要な情報を簡便に取得することが可能です。
今回はその機能の見え方と設定方法について紹介いたします。
検証環境
本ブログで紹介している内容は、以下の環境で検証したものとなります。
ServiceNow: 弊社デモインスタンス
バージョン:Xanadu
ロール:admin
機能紹介例
今回は機能を紹介するために、以下のストーリーで行います。
- ある企業が展覧会を管理するシステムを構築
- 展覧会は複数存在
- 展覧会は1か月単位で繰り返し開催
- 展覧会には複数の展示物が存在
まず、これらを実現するためには3つのテーブルが必要です。
1 展覧会テーブル
展覧会テーブルには「展示会001」、「展示会002」があります。

2 展示物テーブル
展示物テーブルには展覧会に展示される展示物が設定されています。
展示物は4つあり、「展示会001」には3つが設定されています。

3 展覧会スケジュールテーブル
展覧会スケジュールテーブルには展覧会の開催スケジュールが設定されています。
スケジュールは4つあり、「展示会001」には4つが設定されています。そのうち1つは開催が終了しています。

これらの情報を1画面に表示する手順を以下に紹介します。
設定手順
※以下、英語UIでの操作を基準にし、日本語UIの表記も()に併記します。
1 テーブル定義の設定(確認)
テーブル定義へアクセス
パス: [System Definition] > [Tables]( [システム定義] > [テーブル])

テーブルの一覧が表示されるので、展示物テーブルと展覧会スケジュールテーブルを選択

・展示物テーブル定義
展覧会テーブルを参照する列が存在することを確認します。
Column label(列ラベル):展示会
Type(タイプ):参照
Reference(参照):「展覧会」テーブル

・展覧会スケジュールテーブル定義
展覧会テーブルを参照する列が存在することを確認します。
Column label(列ラベル):展覧会名
Type(タイプ):参照
Reference(参照):「展覧会」テーブル

2 関係性(Relationship)の設定
展示会スケジュールについては開催中のものだけを表示するため、関係性(Relationship)を設定します。
関係性へのアクセス
パス: [System Definition] > [Relationships]( [システム定義] > [関係性])

関係性の一覧が表示されるので、[New]([新規])ボタンをクリック

下記の関係性を定義し、[Submit]([送信])をクリック
Name(名前): Schedules for Exhibition
Applies to table(テーブルに適用): Exhibition ※展示会テーブル
Queries from table(テーブルからのクエリ): Exhibition Schedule ※展覧会スケジュール
Query with(クエリ条件): [終了日]が本日以降 かつ [展示会]が表示している展覧会レコードの[sys ID]

関係性レコードが作成されたことを確認します。

3 関連リストの設定
展覧会テーブルのフォームに展示物テーブルと展覧会スケジュールの内容を関連リストで表示する関連リストを設定します。
展覧会リストへアクセス
フィルターナビゲータで[展覧会テーブルの物理名].list を入力しEnter
※テーブル作成時にアクセス用モジュールを作成しておく方法もあります。

展覧会のリストが表示されるので、「展示会001」を選択

展覧会のフォームが表示されることを確認します。

左上の[Additional actions] > [Configure] > [Related Links] を選択します。
([他のアクション] > [構成] > [関連リスト])

関連リストの設定画面が表示されるので、[Available]([利用可能]) の以下の2つを[Selected]([選択済み]) へ移動します。
・Exhibit item > Exhibition ※展示物テーブル > 展覧会テーブル
・Schedules for Exhibition ※作成した関係性

[Save]([保存])をクリックします。

展覧会フォームの下に展示物テーブルと展覧会スケジュールのリストが表示されることを確認します。
展示物には「展示会001」のレコードが表示されます。

展覧会スケジュールには「展示会001」のスケジュールで、終了日が本日以降のレコードが表示されます。

最後に
関連リストを表示することで、必要な情報が別のテーブルに分散していても1画面でまとめて表示することができ、表示する条件も柔軟に設定できるため、情報の可視性と正確性が向上します。また、関連リストに表示されているテーブルに直接レコードを追加することもできるため、作業効率も上がります。
最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。
あなたにとって有益な情報を提供できたのであれば、大変嬉しく思います。
参考
投稿者プロフィール

- 某大手企業の情報システム部様にて、ServiceNowによるサービスデスクを担当し、ITSMの業務を行っていました。現在さらなるスキルアップに向け勉強中です。
保有資格
- ServiceNow Certified System Administrator
- ServiceNow Certified Application Developer
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - IT Service Management
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - Customer Service
Management
最新の投稿
- 2025-05-21技術関連リストとは?探さず見られる操作画面のつくり方
- 2024-11-25技術ServiceNowはあなたのそばに!「Slack 連携」
- 2024-10-22技術運用業務改善のカギ「パフォーマンス分析(Performance Analytics)」
- 2024-09-19技術業務効率UP! アサインワークベンチの力