社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できるクラウドサービス「ServiceNow」。
株式会社KYOSOでは、これまでの豊富な運用経験をもとに、ServiceNowの企画立案から運用・保守、内製化までトータルでサポートしています。
はじめに
ServiceNowは、2026年5月の「Knowledge 2026」で、ServiceNow Studio内の「Build Agent」の一般提供を開始したことを発表しました。
Build Agentは、自然言語でやりたいことを伝えるだけで、テーブルやフォーム、ビジネスルール、フローなどを自動で作成してくれる機能です。
「話しかけるだけでアプリができる」と聞くと少し大げさに感じますが、実際どこまでできるのか気になったので、今回はPDIのServiceNow Studioで簡単なアプリを作ってみました。
Build Agentとは?
Build AgentはVibe Codingを可能にします。 Vibe Codingとは、細かい仕様を詰め切らず、雰囲気(Vibe)を伝えるだけで、AIが補完しながら開発する手法です。
このBuild Agentにより、ServiceNow StudioまたはServiceNow IDEのチャットパネルから、要件を自然言語で伝えるだけでアプリを開発できます。
他にも、設計書や仕様書の作成、ATFテストの生成も可能です。
PDIであれば、Build Agent(トライアル版)を無料で利用可能です。
ただし、回数には上限があります。
筆者のPDI環境では上限は25回でした(回数の上限は環境により異なる可能性があります)。
上限を超えた場合は、30日後にリセットを待つか、有料版(Now Assist for Creator)をインストールすることになります。

今回作ったアプリ:有給休暇申請アプリ
今回作成してみたアプリは「有給休暇申請アプリ」です。
要件は以下のとおりです。
- 管理する項目:申請者、休暇種別、開始日、終了日、事由、承認者、承認ステータス(申請中/承認/却下)
- 承認の流れ:申請が登録されたら承認者に承認依頼を出し、承認・却下の結果に応じてステータスを自動更新
- ボタンの表示条件:承認・却下ボタンは、申請中の保存済みレコードにだけ表示
前提条件:ServiceNowの環境
- 作成:PDI
- バージョン:Australia
- 操作:System Administrator (admin)
作成手順
1. ServiceNow StudioでBuild Agentを開く
All → App Engine → ServiceNow Studio を開きます。
右側にBuild Agentのチャットパネルが自動的に表示されます。

2. 作りたいアプリを伝える
実際に送ったプロンプトは以下のとおりです。
社員の有給休暇申請アプリを作ってほしい。
申請者、休暇種別、開始日、終了日、事由、承認者、承認ステータス(申請中/承認/却下)を管理したい。
申請が登録されたら承認者に承認依頼を出し、承認者が承認または却下した結果に応じて、申請のステータスを自動で更新してほしい。
承認するボタンと却下するボタンは、承認ステータスが申請中の保存済みレコードにだけ表示してほしい。

3. 提案されたプランを承認する
Build Agentが実装プランを提示してきます。
内容に問題がなければ「Approve plan」を選択します。

4. 生成された内容を確認する
何が作られたかを確認します。
左のファイルツリーを見ると、テーブルやUIアクションと並んで、フローが生成されていることがわかります。

Flow Designerでフローを開くと、トリガーとアクションがつながったフロー図を確認できます。
処理内容を確認して、編集することも可能です。

申請フォームも見てみます。
指定した項目が並び、新規作成時にはボタンが表示されず、保存後の申請中レコードでのみ表示されました。
- 新規作成時

- 保存後

実際に申請をして、正しくフローが動くかを確認してみます。
申請をしたことで、承認者あてに承認レコードが自動で作成されました。

これを承認すると、申請側の承認ステータスも自動で「承認」に更新されます。
指定した承認の流れが、フローとして正しく動いていることを確認できました。

5. 追加の修正をする
追加のプロンプトでアプリの修正をしてもらいます。
承認者が申請を却下する際に理由を残すために、以下のプロンプトを入力します。
却下する場合は、却下理由の入力を必須にしてほしい。

フォームに「却下理由」フィールドが追加されました。

却下理由を空のまま「却下」ボタンを押すと、エラーメッセージが表示され、却下処理が中断されました。

6. 設計書も出してもらう
最後に、設計書の出力も試してみました。
このアプリのテーブル定義書を作成してほしい。フィールド名、型、必須かどうか、選択肢の値を表形式でまとめてほしい。
チャット上に、フィールド名(内部名)・ラベル・型・最大長・必須・参照先/選択肢を並べた表が出力されました。

さいごに
簡単な要件を伝えるだけで、最適な実装方法をBuild Agentが選んでアプリを作成することができました。
UIアクションのコーディングやフローの作成は、比較的時間が掛かる部分なので、これらを自動で生成してくれるのは効率化の面で非常に大きいと感じます。
一方で、指示していないことは作られない、ということを改めて感じました。
今回のプロンプトでは、アクセス制御に関して触れていないため、ACLやロールは生成されませんでした。
実際に運用するアプリであれば、別途指示するか、自分で作り込む必要があります。
AIにより自動生成が可能になる一方で、要件を漏れなく言語化する力と、生成結果をレビューする力が重要になってくると感じました。
最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。
あなたにとって有益な情報を提供できたのであれば、大変嬉しく思います。
参考
投稿者プロフィール

- 2026年よりServiceNowの業務に従事しています。
資格取得にも挑戦しながら、知識と技術を磨いています。
保有資格
・ServiceNow Certified System Administrator
・ServiceNow Certified Application Developer
・ServiceNow Certified Implementation Specialist - Data Foundations
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