社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できるクラウドサービス「ServiceNow」。
株式会社KYOSOでは、これまでの豊富な運用経験をもとに、ServiceNowの企画立案から運用・保守、内製化までトータルでサポートしています。
はじめに
社内システムの更改を検討していると、「AIをどうするか」という話になりませんか? 今やAIを前提にしないシステム選定は、考えにくくなってきました。ただ、いざ調べ始めると、どこから手をつければいいのか分からない。AIを導入するには専門の人材が必要なのではないか。データを整備するところから始めないといけないのではないか。そもそもAIをどのように導入すれば効果が出るのかが分からない。そうして検討だけを続けられていないでしょうか。
実は、AIは必ずしも一から作る必要はありません。ServiceNowには Now Assist という生成AIが最初から組み込まれています。別途AIモデルを開発する必要も、外部のAIサービスと連携する必要もありません。使いたい機能を選ぶだけで、日々の業務の中でAIが動き始めます。
この記事では、社内の問い合わせ対応を例に、問合せ内容とこれまでのやり取りの要約や、対応記録の作成、ユーザーの感情の分析など、Now Assistが実際に何をしてくれるのかを紹介します。「AI導入は大変そう」という印象が、少し変わるかもしれません。
検証環境
本記事で紹介している内容は、以下の環境で検証したものとなります。
ServiceNow: デモインスタンス
バージョン:Australia
ロール:admin
この記事で紹介する機能
下記画面はサービスデスク担当者のServiceNowの問合せフォームです。赤枠の部分は、Now Assistの「インシデントの要約」を有効にした場合に、問合せの内容や問合せユーザーと担当者のやりとりをAIが読み取り、まとめたものです。問合せ対応を再開する時や問合せを引き継いだ時に、これまでの長いやり取りを追いかける必要はありません。

本記事では、この「インシデントの要約」を例に、Now Assistの導入方法を紹介します。
おそらく想像よりもずっと簡単に感じられると思います。
また、Now Assistの豊富な機能についていくつか紹介し、Now Assistがどのように業務を手助けしてくれるかをお伝えします。
Now Assistの導入手順
1. プラグインのインストール
フィルターナビゲータに「plugins」を入力し、プラグインの管理画面へ遷移します。
パス:[System Definition] > [Plugins]
(日本語:システム定義 > プラグイン)

検索ボックスに「Now Assist for IT Service Management」を入力します。

「Now Assist for IT Service Management (ITSM)」を選択し、「Install」をクリックします。

2. 「インシデントの要約」スキルの有効化
フィルターナビゲータに「now assist admin」を入力し、Now Assistの管理画面へ遷移します。
パス:[Now Assist Admin]
(日本語:Now Assist アドミン)

「Now Assist Skills」タブを選択し、左側ペインの以下の場所を選択します。
パス:[Technology > ITSM]


ITSMには、14個のNow Assistスキルが存在します。(執筆時点では)
その中から「Incident summarization」の「Activate skill」ボタンをクリックします。

各設定画面が表示されますが、基本的に初期設定で問題ありません。
「Select display」では「In-product desktop」の「Display」トグルを有効にし、「Save and continue」をクリックします。

最後に「Activate」ボタンをクリックすると、スキルが有効になります。


※有効になっているスキルは「Deactivate skill」ボタンが表示されます。
「Now Assist」の動作確認
「Service Operation Workspace」からインシデント管理レコードを開きます。
※「Service Operation Workspace」については以下のブログで紹介しています。
Workspace とは?使えば分かる、その魅力!
「概要」タブに「要約」ボタンが表示されていることを確認し、クリックします。

問合せの内容や実行されたアクション、対応結果などがまとめて表示されます。

多彩な「Now Assist」の表示場所と機能
「Now Assist」には多彩な種類があり、表示できる場所も様々です。そのいくつかを紹介します。
1. 「Now Assist Panel」の表示
「Now Assist」はヘッダー部分にも表示することが可能です。
ヘッダーに「Now Assist」を表示し、さらに「インシデントの要約」を機能させることができます。
前述の「Now Assist Admin」にて、「Now Assist Experiences」タブを選択し、左側ペインの「Now Assist panel」の「Turn on」ボタンをクリックします。

有効になると、ヘッダーに「Now Assist」の星マークのパネルが表示されます。

「Incident summarization」の「Select display」にて、「Now Assist panel」が設定できるようになっているので、「Display」トグルを有効にし、「Save and continue」をクリックします。

「Service Operation Workspace」からインシデント管理レコードを開いた状態でヘッダーの「Now Assist」 パネルをクリックすると、Now Assistが起動し「レコードを要約する」パネルが表示されます。

「レコードを要約する」パネルをクリックすると、ここにレコードの要約内容が表示されます。

2. 「インシデントの要約」以外の機能
「インシデントの要約」以外の機能も有効にしてみます。
- Incident sentiment analysis (ユーザーの感情の分析)
- Incident activity response generation (対応記録の作成)
- Resolution notes generation (解決メモの作成)

「Incident activity response generation」では、ユーザーへ回答する時や、作業内容を記録する時に、文章を自動で作成します。

「Resolution notes generation」では、根本原因や解決方法を自動でまとめて作成します。

「Incident sentiment analysis」では、アクティビティのユーザーの反応やレコードの進め具合から、ユーザーの感情を分析して表示します。

さいごに
いかがでしょうか。私はこの4つの機能を実際に使ってみて、「読む時間」と「書く時間」が目に見えて軽くなることを体験しました。
- 読んで状況を把握する時間
インシデントの内容、ユーザーの状況、そして必要な対応を考える時間
→ インシデントの要約 / ユーザーの感情の分析 - 書いて記録や返信を残す時間
ユーザーに返す文章を考える時間と、対応が終わったあとに記録を残す時間
→ 対応記録の作成 / 解決メモの作成
この2つが軽くなることで1件あたりの解決時間が短縮でき、同じ時間で処理できる件数が増えます。
そしてその結果、これまで「時間がなくて手をつけられなかったこと」に、時間を回せるようになる。
これが最も大きな効果だと感じました。
今回は紹介しませんでしたが、Now Assist にはこれら以外にも、対応の内容からナレッジ記事を自動で作成する機能や、インシデントに関連するナレッジ記事を引き出す機能などがあります。
これらを有効にすることで、ユーザーが自己解決できる場面が増え、問い合わせそのものが減っていきます。
それにより、担当者の負荷は下がり、ユーザーの満足度は上がるという好循環を生み出していきます。
ServiceNow は、IT Service Managementのベストプラクティスに沿って業務を整えたうえで、その中で人が担ってきた作業をAIが引き受けてくれます。
仕組みと AI が最初から一体になっていることが、ServiceNowでNow Assistを導入する一番のメリットだと感じています。
最後まで閲覧いただき、ありがとうございました。
あなたにとって有益な情報を提供できたのであれば、大変嬉しく思います。
参考
製品ドキュメント:IT Service Management (ITSM) 向け Now Assist
投稿者プロフィール

- 某大手企業の情報システム部様にて、ServiceNowによるサービスデスクを担当し、ITSMの業務を行っていました。現在はカスタムアプリケーション開発、ITSMの新規構築など、開発経験を積み上げ中です。
保有資格
- ServiceNow Certified System Administrator
- ServiceNow Certified Application Developer
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - IT Service Management
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - Customer Service
Management
- ServiceNow Certified Implementation Specialist - Data Foundations
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